この記事で分かること
・16PersonalitiesがMBTI™と対立している理由
・類型論と特性論の違い
・類型論の視点でタイプを見れるようになる
MBTI™の公式サイトに、16Personalitiesテストを受けた人への注意喚起があったんだけど、仲が悪いのかな?
MBTI™は類型論をベースに研究・開発されており、科学的な根拠に基づいた方法をとっているが、16Personalitiesはそうではない。
倫理的な配慮が欠けていたり、診断テストも根拠があるのか分からない状態だ。
十分に配慮しながらタイプ論を広めてきたMBTI™にとっては、あまり嬉しくない存在かもしれないな。
そうなんだ。よく分からないけど、MBTI™の方がちゃんとしてるってこと?
まぁ簡単に言えばそうだな。
せっかくだし、今日はMBTI™と16Personalitiesの違いについて話そうか
MBTI™の歴史
MBTI™と16Personalitiesはどちらもユングの『タイプ論』を元にしているぞ
MBTI™はアメリカ人のキャサリン・K・ブリッグス、イザベル・B・マイヤーズ親娘によって生み出されたものです。
2人はスイスの心理学者であるG.C.ユングのタイプ論を研究し、それを現実で役に立てることはできないかと考えました。ユングの理論は、理論としては完成していましたが、実際に使用するには課題がたくさんあったのです。
それらの課題をクリアしながら、長い間研究を重ね、最終的にMBTI™の性格検査が生み出されました。
ユングのタイプ論を適切に反映できるよう、質問項目について研究したり、質問紙に重点を置かずセッションを通してベストフィットタイプ(一番しっくりくるタイプ)を自分で決めてもらう形としたり、タイプ論へのリスペクトが随所に見られるものになります。
現在、米国では年間200万人以上がMBTI™の公式セッションを受けていると言われており、自己理解やキャリア開発など幅広い分野で普及している状況と言えるでしょう。
16PesronalitiesとMBTI™の違い
16Personalitiesは基準や依拠する理論を一切公開していない。
根拠がなく、あまり信頼できるとは言えないな。
16PesronalitiesはWeb上で無料で診断できるユングのタイプ論を元にした診断テストです。
長い質問項目と詳細なタイプの解説が特徴で、SNSなどで見ても当たっているとの声をよく見かけます。
MBTI™=16Pesronalitiesの図式ができてしまった原因として、
韓国のアイドルグループがタイプ診断の動画を投稿した際、MBTI™を受けるという趣旨の動画なのに、16Pesronalitiesテストが表示されていたことから16Pesronalities=MBTI™と誤認されることが多くなったと言われています。
16Pesronalitiesは「特性論」
16Pesronalitiesテストは特性論の傾向が強いです。
特性論とは強弱で表される性質、果物で言うと甘さや鮮度、値段などが挙げられます。
人間でいえば、仕事ができるか、感情的か、明るいか、など人と比べることのできる共通の特徴のことを言います。
これらは強弱で表され、通常良い/悪いの価値判断がついてきます。
仕事ができない=悪いとみなされますし、明るい方が良いとされていたりもします。
実際、16Personalitiesの質問項目に、「自分はとても感傷的だ。」というものがあります。
感傷的は明らかに人の特性を特性を述べています。
これらをスケールで選ばせるということは、少なくとも社会的な影響(感傷的=悪)を考えていないということが分かりますし、そもそも理論的な妥当性から考えると感傷的か否かはタイプの判断にはなりません。
T型もF型も同様に感傷的になる可能性がある。というのが正しい認識になります。
MBTI™は「類型論」
MBTI™(タイプ論)は類型論です。
性格タイプは強弱で表すことができず、「すごくT型」「Fが弱い」などと言うことはできません。
類型論はカテゴリ分けの理論で、果物で言うと、リンゴ・みかん・バナナなど比べることのできないカテゴリを指します。
性格タイプもカテゴリですが、TやFなども強弱で表せないカテゴリとして存在しています。
なぜ類型論なのかというと、MBTI™(タイプ論)は人の「認知」と「判断」の違いを表したものだからです。
そもそも認知と判断の方法が「違う」ので、強弱で表せるものではない。と考えます。
「感傷的な人」というのは「認知」と「判断」から離れた概念になります。その人の生活や幼少期の過ごし方、親や友人の影響から容易に変わるものであり、F型が表れているとは言えません。
また、少し細かいですが、タイプ論は目的論をベースにしているので、「〇〇な行動をしたから〇タイプ」、という風には考えません。「〇〇な行動は〇タイプの表れ」の表現が正しく、あくまでもタイプがあって、そこから行動が生まれるという考え方をします。
MBTI™の妥当性
MBTI™は様々な研究・規定からその妥当性が示されています。
理論的に妥当であるかはもちろんのこと、質問紙から割り出されるタイプと自認(ベストフィットタイプ)の比較、社会的に支持される言葉の排除(論理的・明るいなど)、認定ユーザーへの教育やセッションの制限など学術的・実務的な根拠のもと、慎重に作られたものがMBTI™です。
特に質問紙に関しては統計を用い、正しい結果に繋がる項目を慎重に取捨選択しており、翻訳に際しても一度全ての項目の見直し・改良を行っています。
そういう意味で結果に信頼性が担保されていますし、16Pesronalitiesよりも正しくユングのタイプ論を反映していると言えます。
※タイプ論自体が正しいかどうかは、統計的にタイプに分けられそうだ。というところまでは言えますが、分類方法については正しさはありません。他の尺度の方がより正確に性格を表せるかもしれませんし、そうじゃないかもしれません。他の性格論を排除するものではないことは注意が必要です。
研究は公開されているから容易に見ることができるぞ。
ほんとうに興味があるならMBTI™に直接問い合わせてみるのもありだろう。
まとめ
MBTI™が研究を元にタイプ論を広めていることがわかったよ!
16Personalitiesは多くが謎に包まれていて、理論的にも違う視点を持っているんだね。
そうだな。特に16Personalitiesが特性論に寄っていることは注意したい。性格は”良い/悪い”とか”強/弱”で考えるものではない。
それぞれの知覚と判断が共通なだけで、人それぞれの生き方がある。
性格の決めつけになっちゃいけないよね。
僕もそうならないように気をつける!
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